パワーポイント使い方講座
フォントの設定はとっても重要
フォント(文字書体)には、MSゴシックやMS明朝など、様々なものがあります。フォントの違いにあまり気を使わない人も多いようですが、実はこのフォントは、文書やスライドショーの印象に大きく影響を与える要因の一つなのです。
■基本はMSゴシック
パワーポイントの場合には、特別に設定を行わない限り(デザインテンプレートを使ったり、テキストボックスの書式設定をしなければ)、テキストは「MS Pゴシック」というフォントで表示されます。(MSゴシックとMS Pゴシックの違いは、文字間隔の差です。)ベースとなる本文箇所は、このMS Pゴシックを使いましょう。
MS Pゴシックは、スライドで表示しても印刷しても見やすく、また文字から受ける印象は硬くも無く、やわらかくも無くといった、バランスのとれたフォントです。それゆえ、ビジネス文書で最もよく用いられるフォントのうちの一つとなっています。
ただし、印刷した際は文字が若干太めになるので、やや強い印象を与えます。そのため、文字数の多い文書をゴシック体で書くと、文書全体がうるさくなりがちです。
<MS Pゴシックのスライド>
■カッチリと真面目なMS明朝
MS Pゴシック(またはMSゴシック)と並んで、最もよく使われるフォントに「MS P明朝(またはMS明朝)」があります。MS P明朝は、MSゴシックと比べて やや硬い(真面目な)印象に仕上がります。
MS明朝は、文字が細いためスライドショーには適していません。しかし、MS Pゴシックよりも印刷した時の圧迫感がないため、文字数の多い文書を印刷する場合には向いているでしょう。
<MS P明朝のスライド>
■特殊なフォントはポイントで使用する
上記の2つのフォント以外にも、フォントは多数存在しますが、それ以外のフォントはタイトルや図形の中の文字など、強調すべき箇所以外には使用しない方が良いでしょう。なぜなら、特殊なフォントで書いた文章は目を引く存在となるため、多用するとページ内のどこがポイントか分からなくなるからです。
<特殊なフォントを多用した例(全体的にうるさい)>
■創英角ゴシック
ポイントで使用するためのフォントとして、私がお勧めするのは「創英角ゴシック」です。創英角ゴシックは太くどっしりとした印象のあるフォントです。また、丸みがあり、やややさしい印象を与えます。タイトルや結論など、重点となる箇所に用いると良いでしょう。
<HG総英角ゴシックUBのスライド>
■ヒラギノ明朝
もうひとつお勧めのフォントは、ヒラギノ明朝です。ヒラギノ明朝は、シャープな印象を与える明朝体です。デザイン性の高いフォントであり、本来はロゴやキャッチコピーに用いられます。それゆえ、図やイラストなどの中に用いるのがベターでしょう。
なお、フォントに関して注意しなければならないのが、自分のパソコンと他人のパソコンでは使えるフォントが異なるという点です。よくやりがちなのが、自分のパソコンで特殊なフォントを使ってきれいにデザインしたつもりが、データを他人のパソコンに写してスライドショーをしてみると、特殊なフォントが入っていないため、意図したデザインと全くことなる見栄えで表示されてしまうといったことです。
特殊なフォントは、フリーにせよ有償のものにせよ、特別にインストールしなければなりません。必ずしも自分のパソコンで表示されるものが、他人のパソコンで同じように表示されるわけではないという事を知っておいてください。