パワーポイント使い方講座
ページレイアウトの基本ルール
初級編の第1回目は、スライドや企画書など、ページを作っていくうえでまず考える、ページのレイアウトについてお話します。スライドや書類を作るとき、誰でも必ず一度は「どこに何を配置しようか?」と考えるはずですが、実は誰も深くは掘り下げたことは無いのではないでしょうか?
ページのレイアウトをきちんと形作ることのメリットは思った以上に大きく、ページのレイアウトがしっかりしていれば、自ずとメッセージが伝わりやすくなり、また、信頼性や安心感といったものにも繋がります。「まずは形から…」というのは、パワーポイントの世界では結構重要なんですよ。
下の図は、ページのレイアウトを大きく3つに分けて示したものです。一番上(@)がヘッダースペース、真ん中(A)がメインスペース、一番下(B)がフッタースペースです。
ヘッダースペースには、通常そのページのタイトルが入ります。メインスペースには当然ながらメインとなる文章や図など、伝えたい内容を書き込みます。フッタースペースには、通常ページ数、日付、企業名などの情報が入ります。
なぜこのような配置になるのでしょうか。それは、人の目線の動きに沿っているからだと言われています。書類やスライドを見る時、基本的には左上から右下に目線を動かすとされており、その動きにあわせて合理的に情報を得やすいようなレイアウトになっていると言う訳です。(本当はすこし違うように思うのですが、まずはこのような前提で考えてみてください。)
さて、この左上から右下へという目線の動きを前提として、何がどの場所にあればよいのかをもう少し掘り下げてみましょう。
左上から右下に目線がいくということは、重要な情報は左上から右下のライン上に配置する必要があるわけです。反対に言うと、ページの右上、左下というのは、人が意識しないと見ない場所ですから、重要な情報をおくべき場所ではないということが分かります。
では、重要な情報とは一体何でしょうか?ケースバイケースですが、概ね以下のように考えて良いでしょう。
配布資料 | スライド資料 | |
---|---|---|
きわめて重要 | メインメッセージ(文章や図) | メインメッセージ(文章や図) |
重要 | タイトル、ページ数 | タイトル |
さほど重要ではない | 企業名、日付 | 企業名、日付、ページ数 |
メインメッセージは無いと意味が無いので当然最重要になります。ページのタイトルはその次に重要だと言えるでしょう。ページ数に関しては、配布資料では重要ですが、スライドではあまり重要ではなくなります(配布資料では、ページ数を指して「○○ページを見てください」と言ったりする場合があるからです)。
また、企業名、日付といった要素は、配布資料やスライドの扉ページにつけることが多く、重要度としてはかなり低くなります。スライド資料に至っては、日付やページ数は無くても良いくらいです。
さて、これでどんな要素が重要で、重要な要素をどこに持ってくればよいのかが分かりました。以下、整理します。
ページ左 | ページ中央 | ページ右 | |
---|---|---|---|
ヘッダースペース |
タイトル
|
タイトル
|
企業名
(日付、ページ数) |
メインスペース |
メインメッセージ(文章や図)
|
||
フッタースペース |
日付 |
ページ数
企業名 |
ページ数
企業名 |
なお、ページの右上にはまれに日付やページ数を持ってくる変則パターンもあります。