パワーポイント使い方講座
様々なオートシェイプを使う
これまで、文字の書き方、オートシェイプの作り方、ページのレイアウトなどを一通り解説しました。これである程度はまとまりのある企画書やスライドを作れるようになったわけですが、プレゼンテーションをより効果的なものにするためには、パワーポイントにメリハリを持たせる必要があります。今回から数回は、パワーポイントにメリハリをつけるのに重要な役割を果たす、オートシェイプのテクニックについて解説します。
まずはオートシェイプの作り方からおさらいしましょう。 超初級編4 でもお話した通り、ツールバーの「オートシェイプ」のメニューから様々な形のオートシェイプを作ることができます。
しかし、このオートシェイプは、使えるからどんどん使っていいというものではありません。それらをケースに応じて使いこなすことが重要なのです。“使いこなす”とはどういうことでしょうか?それは、端的に言うと 「オートシェイプの意味を考えて適切に使う」 ということです。
例えば、パワーポイント初心者の作ったスライドや資料には、以下のような間違いが良く見られます。
この例では、なぜ「各産業」や結論となる「県内産業の活性化」を示すオートシェイプがこのような形状になっているのか、全くうかがい知ることができません。各産業につけられている色についても同様です。意図するメッセージを、オートシェイプでうまく表現できていない典型例です。
このような表現をすると、パワーポイントの使い方が上手くないイメージを与えるばかりか、本来伝わるはずのメッセージまでもどこかぼやけてきてしまいます。
それでは、一体どのようにすれば良いのでしょうか?それにはまず、各オートシェイプが持っている形の意味を考えることです。以下に、よく使うオートシェイプの形状とその意味をまとめてみました。
四角形、角丸四角形 | ![]() ![]() |
何らかの物体・集合体や組織を表します。また、文章を囲む枠としても使われます。 |
楕円 | ![]() |
四角形と同様何らかの物体・集合体を表すのですが、どちらかと言うと概念的なものに使われます。 |
矢印・三角形 | ![]() ![]() ![]() |
図形から結論へと誘導する役目など、何かの流れを示すのに使います。矢印自体に意味を含めることはあまりありません。 |
ホームベース、山形 | ![]() |
矢印と同様何らかの流れを表すのですが、流れに加えて何らかの物事を含んだもの(ステップや作業工程など)に使われます。 |
吹き出し | ![]() |
セリフや注釈など、図形などへの補足事項を付け加えるのに使います。 |
矢印付き吹き出し | ![]() |
四角形と矢印をあわせて使いたい際に、代わりにこの図形を使うときもあります。 |
円柱 | ![]() |
データベースを表すのに使います。 |
メモ、フローチャート:書類 | ![]() ![]() |
書類やメモを示す図として使うほか、訂正箇所や補足説明を加えるときに使います。 |
爆発・星 | ![]() |
ここぞという強調ポイントに使います。メッセージ性が強いので多用は禁物。1ページに1つ使えば十分でしょう。 |
これらの使い方は、決してどこかで厳密に決められたわけでも何でもありません。ただ、パワーポイントの暗黙のルールとして、概ね上記のような使い分けがされているということです。その暗黙のルールに従うことで、スマートな書類やスライドを作ることができるのです。
また、上記に登場しなかったオートシェイプはどうかというと、実はあまり使いません。と言うか、あまり使わない方が懸命です。どうしてかと言うと、それ以外のオートシェイプはオフィスソフトに特有の形状をしており、どうしても素人っぽさが出てしまうからです。ほとんどのメッセージは、上記の図形を組み合わせることにより表現可能です。上記以外のオートシェイプを使う場合は、1個か2個までに留めおいてください。
さて、先ほどの例では、どのオートシェイプを使うべきだったのでしょうか。上記の使い分けに照らし合わせてみると、「各産業」・「県内産業の活性化」ともに楕円か四角形を使うべきということになります。ここで、結論となる「県内産業の活性化」は、どちらかというと物事をはっきり述べるイメージのある四角形を用いた方が良さそうです。よって、結論と同じ形にしないように、各産業は楕円で描きましょう。
こうすることで、このページにも随分とまとまりが出てきたのですが、まだ少しバランスが悪いですね。どこがバランスが悪いかというと、色使いです。この点については、次の講座で解説したいと思います。